卓球の試合で、聴覚障害者と対戦する

2年ぶりに、卓球の試合に出ました。シングルスの個人戦で、はじめに予選リーグを行い、リーグ1位の人が決勝トーナメントに進む、という形で進めるものです。この試合には主に障害者が出場しますが、部門によっては障害のない人も出場できるので、参加を決めました。
私はクラブに所属していない上、ダブルスにも不慣れなので、シングルスの個人戦はなかなか貴重な機会です。また私は障害者の雇用や就労に関心があり、その方面で執筆することもあります。仕事ではなくても、卓球の試合で障害のある当事者に接することは、執筆にもものすごくプラスになるのです。

私が参加した一般の部(女子)の予選リーグでは、聴覚障害のある高校生2人対戦することになりました。2人はそれぞれ違う学校の生徒ですが、どちらも部活で参加しているらしく、大勢の仲間の応援に支えられながら試合に臨んでいました。一方私は一人で参加したので、応援してくれる人もアドバイスしてくれる人もいません。

実際にボールを打ってみたところ、「さすが高校生。ボールに勢いがある」と感じました。普段中高年の女性と一緒に練習している私は、勢いに押されて力負けしそうな感じです。高校生との体力の違いを改めて痛感しました。
試合の結果は1勝1敗のリーグ2位で、決勝進出はなりませんでした。対戦相手の1人はレベルが高く、私ではとても歯が立たない感じです。予選リーグ1位の彼女は、決勝トーナメントでもベスト4まで進みました。攻撃できるボールは逃さず確実に打つ、これが一番の勝因といえます。ある程度レベルの高い健常者のプレーヤーでも、簡単に勝てる相手ではないと思いました。

もう1人の対戦相手については、攻撃するときにむやみやたら力む癖を改めれば、実力をかなり伸ばせると思います。今回は私が勝ちましたが、ボールをしっかり打てるので、悪い癖を修正すればなかなか手ごわい相手になるような気がしました。
さて試合をしている間、私には不思議な感覚がありました。一般の部では同じリーグで試合のない人が審判を行うことになっています。私のリーグでも試合のない人が審判を行いましたが、点数を読み上げず、カウンターの数字を示すだけで、無言で審判を行っていたのです。聴覚障害のある人は言葉を話すのが苦手だとはいえ、これは本当に不思議な感じでした。通常の試合では、審判が点数を読み上げることになっているのですから―。
それでも試合は滞りなく終わりました。

このほか、言葉ではなく身振りでコミュニケーションを取る場面がいくつかありました。プレー中に他のコートから飛んできたボールが自分の背中に当たり、プレーのやり直しを要求するときは、口を大きく開けてゆっくりと話し、身振りを交えながらアピールしました。また試合が終わった後には審判と勝者が記録用紙にサインするときも、署名欄を指さしてサインが必要なことを伝えたのです。
振り返ってみると、この試合では新鮮で、不思議で、貴重な経験ができました。実戦の体験を積むだけでなく、聴覚障害者とのコミュニケーションも体験させていただき、聴覚障害の特性をほんの少しだけ知ることができたような感じです。試合に出て、本当に良かったと思います。
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